アレクサンダーテクニークとは

アレクサンダーテクニークがどんな技術かご紹介します。

アレクサンダーテクニークとは?

アレクサンダーテクニークは、1869年にオーストラリアで生まれた F.M.アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander)が確立させた技術で、「意識的に自分自身に働きかけることによって機能的な状態に導く」スキルです。簡単にいうと、「自分で自分を力が発揮できる状態に整える」スキルです。

彼は俳優としてキャリアを積む中で、声の問題(喉枯れなど)に悩みました。医者に相談しても根本的な解決が望めなかったので、この問題を自分で解決しようとしました。

約10年にわたって彼は自己観察と実験を繰り返して、身体だけでなく、マインドや思考、意識なども含めた自分全部をどのように使うかということを探究しました。

現代の目まぐるしく変わっていく状況に、私たち現代人はあまりうまく適応できていません。人間は本来、身体、マインド、思考、意識、魂 などが混ざり合った1つの統合体ですが、多くの現代人はそれらがバラバラになっています。適応のさせ方がわからず、ちょっと自分を損ないながら生きているような状態です。そんな状態から自分自身の協調、全体性を再び取り戻すことをアレクサンダーテクニークは手伝います。

現在ではこの技術は、欧米の著名な音楽大学や演劇養成所で取り入れられています。

また、慢性的な痛みを抱える人や、怪我、病気の予防、リハビリテーションにも効果があることが実証されおり、欧米では、医師が必要と判断した場合、保険で支払われる国もあります。

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世界中で学ばれているアレクサンダーテクニーク

日本ではまだあまり知られていないアレクサンダーテクニークですが、実は世界中で学ばれています。どんなところで、どんな人が学んでいると思いますか? 聞いたことのある有名な教育機関で学ばれていて、あの俳優さんやミュージシャンも学んで身につけていると聞いたら少し身近に感じるかもしれません。

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音楽大学、演劇学校がアレクサンダーテクニークを取り入れています

欧米

英国王立音楽院(RAM)
ジュリアード音楽院
英国王立ドラマスクール(RADA)
ロイヤルシェイクスピアカンパニー など

日本

新国立劇場
劇団青年座 など

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アレクサンダーテクニークを学んだ著名人

俳優

ヒュー・ジャックマン
ヒラリー・スワンク
ポール・ニューマン
ロビン・ウィリアムズ

音楽家

ポール・マッカートニー
スティング
ヴィクトリア・ベッカム

思想家・作家

ジョン・デューイ
オルダス・ハクスリー
ジョージ・バーナード・ショウ

科学者

ニコラス・ティンバーゲン

アレクサンダーテクニークから考案されたメソッド

フェルデンクライス
ダート

アレクサンダーテクニークは治療でなく教育

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レッスンでは教師が生徒の頭や首、背中に手を置いて指導するため、「これは治療? 施術?」と思われることもありますが、アレクサンダーテクニークで行っていることは教育にあたります。

アレクサンダーテクニークは自分を ”どのように使えば” 能力が発揮できるのかを体系立てたスキルです。レッスンで教師の手を借りながら、いつもとは違う自分の使い方を体験すると相対的にいつもの自分の使い方が見えてきます。比較することではじめて「こんなところ緊張させていたんだなぁ」「自分の大きさを誤解していたなぁ」等さまざまなことに気づきます。まずは今の自分の状態を知ることからはじめ、能力が発揮できる新しい使い方に少しずつ更新していきます。新しい使い方を身につけるために何度も体験し、理解し、身につくまで適切に繰り返しましょう。

人が持って生まれてくる人間のしくみは素晴らしいものです。すでに私たちは持っています。「何かが足りていない」ことを問題の原因とすることが一般的ですが、もしかするとその分析は違っているかもしれません。新しい何かをプラスするのでなく、すでにあなたが持っているものを花開かせることが真の解決法かもしれません。自分の花を思い切り咲かせる方法を学びましょう。アレクサンダーテクニークの学びのプロセスには、今までのやり方や思い込みから抜け出して、自分や自分の外の世界を捉え直す側面があります。脱学習、自分の再教育(re-education)を力強く後押ししてくれます。

STAT(英国アレクサンダーテクニーク教師協会)のページに飛びます